お盆の休診についてはコチラをご覧ください。

お口の話

指しゃぶりについて

こんにちは!
女性Dr.の奥窪です。
まだまだ寒い日が続きますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか??

今日は、お子さんの指しゃぶりについてのおはなしをします。
子どもが指しゃぶりをしていると、歯並びが悪くなるのではないかと心配するママは多いものです。

実際、検診で当院に来られる患者さんで指しゃぶりをしているお子さんは多く見受けられます。

指しゃぶりは歯並びにどんな影響があるのか、くせになってしまったときにやめさせるにはどうすればいいのかなどのお話をしようかと思います。

指しゃぶりと歯並びの関係

長期間の指しゃぶりで、歯並びやかみ合わせに影響が出ることも

指しゃぶりとは、指を上の歯の裏側にある「口蓋(こうがい)」という部分に押し付けるしぐさのことです。チューチューと指を吸うことで口の中の圧力が高まるので、長期間にわたると歯並びに影響を及ぼすことがあります。

具体的には、指を吸う力によって上あごの歯列が狭くなる「歯列狭窄(しれつきょうさく)」になり、上あごと下あごのかみ合わせがずれて、上あごの前歯が前に出てくる「上顎前突(じょうがくぜんとつ)・出っ歯」や、上下の前歯がかみ合わない「開咬(かいこう)」になることがあります。

これらの状態は不正咬合(ふせいこうごう)といって、歯科での矯正治療が必要になります!

上顎前突(じょうがくぜんとつ)・出っ歯とは

上の前歯が強く前に傾いたり、上の歯並び全体が前に出ている状態をいいます。 遺伝のほか、上下のあごの発育バランスが悪かったり、下唇をかむくせが原因でなることもあります。この状態になると、前歯で食べ物がかみづらくなり、発音も不明瞭になります。
原因になるくせがある場合は、3歳ごろからやめるように促していきます。治療が必要な場合は、永久歯の前歯が生えそろう8歳くらいから矯正装置を使用します。

開咬(かいこう)とは

奥歯をかみ合わせた時に、上下の前歯にすき間ができている状態です。前歯でかむことができないので、奥歯の負担が大きくなり、発音もはっきりしなくなります。原因は、長期の指しゃぶりやおしゃぶりの使用、舌を出したり舌をかむくせのほか、口呼吸や遺伝による顔の骨格などです。
指しゃぶりや舌の位置がおかしいなどのくせがある場合は、3歳ごろからやめるように促します。6~8歳ごろを目安に矯正装置をつけて治療します。

とはいえ、「指しゃぶり=絶対やめさせるべきもの」ではありません。指しゃぶりは赤ちゃんや子どもの健全な精神発達段階の一つとして必要な反応だといわれています。

3歳以降のお子さんが、指しゃぶりをしていても諸説ありますが、一説には長時間続かない限りほとんど問題ないといわれています。

歯並びやあごの状態に問題がなく、「機嫌が悪い時に指しゃぶりをするくせがある」「寝る前にぐずって少し指しゃぶりをしている時がある」程度なら、無理にやめさせる必要はありません。本人にとっても精神的に安定するためのしぐさなので、見守ってあげましょう。

ただし、寝ている間ずっと指しゃぶりをしているなど一日の中で長時間続けてしまっている場合や、4歳をすぎても頻繁に続いてしまっている場合は、指しゃぶりをやめられるように環境を整えてサポートしてあげることが大切です。

当院では、永久歯の生え変わりが始まる5歳頃までにはやめましょう!とお伝えしています。

指しゃぶりをやめさせる方法

家庭で出来る対策

3歳を過ぎても指しゃぶりをずっと続けているお子さんの場合、「本当は自分でもやめたいけれど、やめられない」ということが多々あります。ご家庭で、お子さんが指しゃぶりをスムーズにやめられるようにサポートしてあげてください。
具体的には、指しゃぶりをしている時に声かけをして意識を別のところに向けさせたり、手袋をして指しゃぶりをした時に違和感を与えることで、だんだんおさまることがあります。
他にも、「お気に入りのキャラクターのばんそうこうを指に貼って、うっかり口に入れるのを防ぐ」「赤ちゃん用品店で売っている、口に入れると苦い味がする無害なマニキュアを利用する」などの方法があります。

歯科での対策

指しゃぶりによって上下の前歯にすき間がある、前歯で食べ物がかみづらい、発音がはっきりしないなど不正咬合の症状がみられる場合は、小児歯科で治療を行う必要があります。

また、長期的な指しゃぶり以外の癖(ほおずえや口呼吸など)でもお子さんの歯並びに影響を及ぼします。

何かお子さまのことで気になる点があれば、ぜひ歯科へご相談ください!!

関連記事